2011年3月30日水曜日

・・・「なかには、ヴァイオリンケースの中でお守りとして私と生活をともにしている大切な贈り物もあります。そのなかでも一番心にのこり、今も人生の役に立っているのは、14歳の誕生日に母から贈られた砂時計です。緑がかったガラスの砂時計は、無駄のないシンプルで繊細なフォルム。その美しさもさることながら、”一刻一刻を大切にしてね”と言った母の言葉が、私の心に深く刻まれています。以来、 サラサラと砂がこぼれゆくさまを見るたびに、母の言葉が浮かびます。私自身、”音楽”という、時の芸術と向き合う身。母の言葉がきっかけで、いつしか、”時間”というかけがえのないものとの真剣な付き合い方を考えるようになりました。ヴァイオリンの調べにのせ、過ぎ去る一瞬の輝き、生きる素晴らしさを大切に表現していければと思います。時の流れは、誰にでも平等です。一瞬一瞬を大切に、日々を歩いていけば、充実した人生になると感じています。」  庄司紗矢香